「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
イギリス在住日本人の母(著者)とアイルランド人の父と中学生の息子が学校で直面する貧富の差、人種差別、いじめ、教育格差etc様々な問題を親子で意見を交わしながら次第に成長する少年と家族の記録。ノンフィクション。
読みやすい文体で一気に読み終えたものの
内容を咀嚼するには時間のかかる難題ばかり
比較的早い段階で「エンパシー」についての著者の考えが示されその後起こる様々な難題への考え方、親子の会話の軸になっている。
シンパシー → 感情的状態
"かわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る''
エンパシー → 知的作業
"自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のこと''
少年とこの家族に起こる社会問題のあれこれに戸惑いそして何となく分かった気になっていたエンパシーについてあらためて考えてみた。
結論【尊重すること】
エンパシーとは社会問題を受け止め、状況を把握する、調べる事。そこから自分だったらと想像し、問題点との共通点をさがし結びつけること。
思考の流れからコロナ禍のワクチン接種時を思い出した。
"任意"接種が始まりしばらく経つと世間では推進派と反対派に分断され、SNS上では度々衝突が起きていた、接種会場に反対派が押し寄せ入り口を塞ぐ迷惑行為が問題になったりもした。
私は思う
人類にとって未知のウイルス、誰にとっても恐怖だ
命を前にしたときの思いは皆同じではないか
「罹患したくない、周りの人達を守りたい、大切な人を失いたくない」
そのために接種に同意するも否かもその過程でしかない、これは"任意"個人に任せられているのだから意志を尊重すべきと。今回のワクチンの役割がはたして正解だったのか否かもまた時間を要する課題。
意見の相違に聞く耳を持たず主張を押し付けていても分断が加速するだけ。広がり続けたものを小さくするのは容易くない長い時間がかかり困難な事、更なる悲劇を招く恐れがある。価値観の違いを理解するためには知る事、多様性を知る事。
イギリスの授業で行われている「シティズンシップ・エデュケーション」とは市民教育、主権者教育とも呼ばれ、市民として資質・能力を育成するための教育、他者と協力しながら社会の一員として主体的に課題にとりくむ姿勢を身につける教育とのこと。教師曰く''決めつけないで、いろんな考え方をしてみることが大事〜エンパシーへの第一歩"
私も映画エブエブのダニエルズ監督の狙い通り沢山の刺激を受け学び中
劇中のエブリンとジョイが逆の立場だったらと想像する。母親が娘に私のことを理解して、同じ景色をみて!と期待を寄せていたら。。どんな展開になっていただろう。家族愛がテーマだもの、母と娘は抱きしめあった画が浮かぶ。
他者の思いを想像しどれだけ理解できるのか自信ないなりに、気になった事柄は謙虚に調べ知る作業を続けたい。これもカンフー!(練習、鍛錬、訓練の蓄積) 最後にエブエブ中毒者発言で〆
いまこれ
『タイタンの妖女』